どこ連れてかれんだろ、アタシ。

不安より疑問だけど、何急いでんだろー。


「大原緩名、わしの声が聞こえるか?」


「あ、はい」



走んの早いくせによく息切れしないなこのオヤジ。って、アタシの方が疲れてきたよっ。



「では話をする」



と言って老人は、後ろも振り向かず、そのままのペースで走りながら話はじめた。



「まず言っておくが、わしはおぬしの叔父じゃ。そしてわしらの一族は代々、どんな人種に生まれてきても、魔校に入学してきたのじゃ」


「いやすまん。全く意味わからん」


「・・・まぁ良い。詳しい話は、じきに聞くだろう」


そう言って老人は、さっきより更に走るスピードを上げた。