てゆうか、間者ってあれか?密偵みたいのか?



・・・じゃ、違うな。



「違う」



「本当か?」



かなり真剣な目で俺の目を見ながら長倉が問うた。


「あぁ。それより、随分と遅く来たんだな」


もうじき夕刻だ・・・。


・・・・。いつのまに夕刻近くまで経っていたんだ?


俺、今日何もしていないぞ・・。


・・・なんでもっと早く寝なかったんだろう・・。



「・・はぁ」



「どうしたんだ~?」



眠れなかったことへの後悔のため息に、何故か藤堂が反応した。



「いや、気にするな。」



「そっか。で、何でこんなに遅く来たかだっけ?」


「君の居る宿を虱潰しに探してたからだよ」


その言葉とともに、襖が開き第三者が現れた。