嘘つきシャボン玉の恋ゲーム


「真紅、ちょっと入るからな!」


一声かけて脱衣場のドアを開ける。
だが風呂場からジャージャーとシャワーの音がするだけで返事はなかった。

聞こえていないのか………?
まぁいいか。

棚からバスタオルを取り出して、私は服と一緒にかごに入れておいた。

誰でも気づくだろう場所に置いたから多分気付いてくれるはずだ。



「気づかなかったら、アホだと罵ってやる」
………なんて呟いてみる。



さて。
用は済ませたし、
正直少し照れくさいのでさっさと退散しようか。

風呂場からあいつの影が見えるだけでもドキッとしてしまう私は、変態になってしまったのだろうか?





「…………………って、あれ?」





リビングに戻ろうとしたときに、
真紅の着ていた衣服の山にの中で、キラッしたのがふと目に映る。


「これは……………ネックレス?」

陰陽のマークの黒い方がついている。

見覚えがあるそのペアネックレス。
嫌な予感と、
胸騒ぎ。


これは………
私が昔、ある人に贈ったものと同じだ。

…………いや、“同じ”じゃない。
贈った“そのもの”だ。


陰陽のマークの裏側にマジックで書いてある《M》の文字。

それがなによりの証拠。
だってあたしが書いたやつだから。



「なんで真紅がこれを持っているんだ……?」

もしかして、真紅は殺したのか?
私の友人を