嘘つきシャボン玉の恋ゲーム

「私の過去…?」

「うん。そう、過去。」

「…嫌だ。」

「優「嫌、嫌っつったら嫌だ!」…そう」


唐突すぎてつい怒鳴ってしまう。


「私の過去なら知ってるだろ?
そして何故今その話が出てくるんだ?」

「悪い夢……って過去の夢でしょ。」


図星なので、私は目を逸らす。
なんでこんなに勘がいいのか。

やっぱりこいつは超能力者だろ。



「…真紅、今日は遅いから泊まっていけば?」

「…………。」


無理矢理他の話題を持ち出したことで真紅は不快そうに目を細ませた。

今聞いても無駄なことを察したのか、真紅はしばらくして軽く頷く。


「じゃあ先に風呂入ってこいよ。
シャンプーとかは適当に使え。
寝巻きはなんとかする。」

「………分かった」


真紅は顔を歪ませたまま、風呂場に向かった。








●〇…

(…………危なかった。)
胸を撫で下ろす。

正直どうやってすり抜けるか分かんなかったし、
泊まれとか何言ってんだ私。

泊まりのほうが完全にまた過去を探られる危険性高くなるじゃないか。

遺憾の意。


それに違う意味で心臓がもたない。


これを世では自業自得と言うのだろうけど、唐突だったから仕様が無かったんだよ………


そんな言い訳を自分の中で繰り返しながら
クローゼットを漁る。


…これとかなら男でも着れるかな?


私が手に取ったのは、
なんかで当てたワン●―スの青いTシャツと、
でかすぎて着れていない黒いスウェット。


勿体無くてとっておいたものだ。



あー、パンツとかはないからいいとして、
バスタオルとか準備しなきゃな。

自分でも驚くほど頭を切り替えた私は、服を抱え風呂場に向かった。