嘘つきシャボン玉の恋ゲーム

●〇…

夢は覚めることなく、
より暗い、黒い溝に埋まっていく。

「お父さん……
お母さんが仕事でいないからって、
そんなお酒ばっかり飲んじゃだめだよ?」

「黙れ!クソガキ!!」

ドカッと音をたてて、ゆかにたたきつけられる。

お父さんはいつもと同じみたいに、ぼうであたしを
なぐる。

ける。


…いたい。

いたい。

のに、ユメはさめない。


これはウソ。
ユメなのに。
いつさめるんだろう?

あかるいお母さんに、
やさしいお父さんに、
あたし。

それがホンモノのかぞく
ホンモノのあたしたち


「いたいっ、お父さんやめてっ!!!」
「………」


口をとじたまま、
ずーっと くりかえし。

「いっ、ぅぅ………」

ナミダがたくさん
止まらない。

ナミダのあとも、
アザも、キズも、
ずーっときえない。


「もう、いやだぁ!」

「黙れ、優花!!!」

「ぅ………ぃやぁ。あああああぁっ」

『……花。』

「いや。」

『……優花。』

「ヤダ、イタイ!ヤメテ!!」

『起きろ優花!痛くないから!』




((え…………!?))