嘘つきシャボン玉の恋ゲーム


数十分後。
カチャと、鍵の開く音がする。

「あ、お父さんかな?」

「ほんとぉっ!?
じゃああたしお迎えする!」


パタパタと私が玄関に走り、ドアを勢いよく開ける。


「おかえりー!…ってあれ?お父さん?」


私は……今でも覚えてる。

あの時の父は、
まるで死んだようだった。

「どうしたの?具合悪い?」


健気な私を無視しフラりと家に上がる父。
もちろんその様子から、お母さんも目を見開かせた。


「お父さん?なにかあったの?
今日は優花のたんじょ「もう終わりなんだっ!」

お母さんの話を遮るように叫ぶ父。


絶望。
破滅。
苦悩。
終焉。

そんなものを連想してしまうような叫びだった。