嘘つきシャボン玉の恋ゲーム

「…なんでだっけ?」

「5年の体育の時間にマット運動があって、
でんぐり返しであたしは転がるのを、いつも真っ直ぐ出来なかったの。

そしたら小百合が『理恵子ちゃんの前回り、パンダみたいで可愛い!』って言ったの〜。」



遠くをぼんやり眺めて 懐かしそうに、ふふっと笑う理恵子。

「ハハッ。あたし、くだらないね。」

「ふふっ、かもね〜。
でもあたしは嬉しかったんだぁ。
初めてのあだ名だったから!」

「…あ、あたしもあだ名で呼ばれてた。」



☆゜。゜。

『…うまく出来なかったなぁ〜』

『〜〜みたい。』

『え?』

『理恵子ちゃんの前回り、パンダみたいで可愛い!』

『パ……ンダ?』

『うん。こう……なんて言うんだろ、
クルッ、ポテンみたいな?』

『ふふっ、小百合ちゃんって面白いねぇ』

『そうかな?
……あ、そうだ!これから理恵子ちゃんのこと、
《パンダちゃん》って呼んでいい?』

『………。』

『ご、ごめんっ、ダサいよね!?』

『……エヘヘ、ううん!全然ダサくないよ〜。
じゃああたしは…………さゆりんって呼ぶねぇ!』

『………さゆりん、かぁ。
なんかいいね!』

☆。゜。゜