「ごめん。あたしの所為で話逸れたね。
戻るけど…………優花は予防線を張ってるよ。」
「予防線?」
「うん。
もし美光くんに裏切られてもいいように、 認めてないんだよ。恋を。」
小百合は「出過ぎたこと言ったかな?」と呟きながら布団に潜る。
「………そんなことない。
私、二人には感謝しているんだ。
偽善者だった私の知らないことを教えてくれるし、私を信じてくれるし。」
実際、クラスの全員と大親友!!………なんてなれる訳がないんだ。
皆も人だ。
私が偽善者だと告げたとき、
言葉でああは言っても、簡易に信頼関係は出来上がらない。
信頼は長期間で積み上げるものだから。
それにあの場空気で手を挙げた人もいるだろうし。
……だけど二人は私と一緒に居てくれるんだ。
それを私は拒否してはいけない。



