「なにいっているんだ。
さっきそう言っただろう?」
「あたしも思ったぁ。
真紅くんは、優花を殺したりしなくない?」
だよねー、と顔を合わせ頷きあう二人。
いったい何を根拠にそんな勘違いをしているのだろうか。
この二人は。
「私は真紅に首を絞められたんだぞ?
殺す気満々だろ。」
「なにか理由があったりするんじゃないのぉ?
真紅くんだもん。そんな簡単に行動するタイプじゃないって〜」
私はその一言ですんなりと納得してしまいそうになった。
たしかに真紅は何も考えず動く奴ではない。
自分が何をするべきか、何をしたら自分が楽しめるか。
また、それをしたらどう周りが動くのか。
そういうことを計算するのが美光真紅という男だ。
だがそんなことを言ったら、あの私の首を絞めた後の真紅はいったい何なのか。
あの追い詰められたような表情は何処から来たのか………………
一つが消えれば その分また数個増える『疑問』に私は苛ついた。



