100万回のKISS






「すず、誰が?」




あたしの真後ろから聞こえたのは


紛れもなく変態野郎の声だった。






「…う、嘘っ…」




居るなんて思わなかった。

居たらいいなと思っただけなのに。





「誰が好きなの?」




「////////」


言わなきゃ、言わなきゃ。


頑張って言わなきゃ。




でも、本人目の前にすると……////





「……あんたは誰が好きなの?」





頑張れ、稲森すず!





「俺は……馬鹿で阿呆な奴」




……………。


誰それ?

あたし馬鹿で阿呆じゃないし…。
フラれたなぁ。

あたし。


もう、いいや…言っちゃえ!




「あ…あたしあんたが好き!!!!じゃぁ…」




あたしは泣いたところを

見られたくなくて

振り向いて帰ろうとした。





急に手を掴まれて変態野郎に

目線がぶつかった。



泣いてるのに……。