最初最後彼氏!

「俺は、花恵に脅されてる。」


脅されてる・・・?

修斗が花恵さんに?


「俺は、付き合ってる女がいた。」

「・・・!?怜のことか?」

「さすがにお前は知ってたか。それで、俺達は普通にデートしてた。そしたらいきなり花恵に拉致された。着いたところはあいつの家で、俺達は縛られてた。」


怜さんと修斗は関係ないんじゃないの?

なんで修斗と怜さんは傷つかなきゃいけなかったの?


「花恵は『雄くんとあたしをくっつけさせてくれるなら解放する。でも、協力しないなら怜に危害を加える。』そう言った。・・・俺は、怜が傷つくのが嫌だった。心底惚れた女だったからな。だから・・・、怜と別れてあいつに協力することにしたんだ。そしたら、あいつは雄の学校に転校しろって言ってきた。だから俺は転校した。」

「"あの事"があったからじゃないのか・・・?」

「あの事・・・?」

「もちろん、その事も手伝おうと思ったよ。あいつは雄が遠くに行って自分だけの物になることを喜んでるからな。」

「遠くに・・・?」


あたしには何がなんだか全く分からない。

ひとつ分かるのは、雄がどこかに行ってしまう。

ただ・・・、それだけ。


「雄、どういうこと・・・?」

「奈美。お前にはあとでその事についてちゃんと話するから。」


あたしは震える手を必死で抑えてるしかなかった。


「そして俺は・・・、奈美。お前に近づいて雄と別れさせようと試みた。雄と奈美が別れればあいつにチャンスが回ってくる。そう思ってな。だけど、お前らは別れた後でもお互いを想ってたからな・・・。それ以上は俺はなにもできなかった。」


そうだったの・・・?

修斗は苦しんでる。

でも、それ以上に・・・


「ねぇ、修斗。もしかしたら・・・、怜さんに会いたいんじゃないの?」


あたしの言葉を聞いた修斗は、涙を流した。