一生懸命、顔が引きつらないようにしてるけど、やっぱり引きつってるかも。

頑張って営業スマイルをつくる。

「何名様ですか?」

「ひとり。」

「では、こちらのお席へどうぞ・・・。」

カウンターの席に案内する。

いつも雄が座る席とは少し離れたところ。

だって、いくらあたし達が別れても、あたしは好きだから、同じところに座ってほしくな
いもん・・・。

「ご注文は?」

「コーヒー」

「お砂糖とミル・・・」

「いらないわ。」

・・・まだ最後まで言ってないのに、会話がとぎれた。

いや、途切れさせられた。

「かしこまりました。」

できるだけ話したくないので早めに作ってお出しする。

「ごゆっくりどうぞ。」

これで、あたしはもとの所定の位置に戻る。

・・・はずだった。

「ねぇ。あなた、雄と別れたんだって?」

「えっ・・・?」

なんで、あなたが知ってるの?

「あら。情けない顔。なんで知ってるの?って顔してるわよ。」

「っ・・・!」

だって、まだ、美奈くらいにしかあたしは話してないのに・・・!

もしかして・・・。



雄・・・・・・?