ひさしぶりだなぁ。バイトに来るの。

「店長。この間は休んでしまい、すいませんでした!」

「あぁ、気にすんなよ。お前はいつも頑張ってるし、逆に多少休んだ方がいいだろ。」

微笑みながらそう言ってくれる店長。

紳士ってこういう人のことだな。きっと。


現在、5時55分。

いつもの位置についてお客を待つ。

今日はどんなひとがくるかなぁ。

ドタドタッ、バタンッ!

・・・?うるさいなぁ、お客様来たらどうするのy......

「遅れました!すいません!」

はっ?翔平!?

久しぶりに見たなぁ・・・。

「あと少しでお客様くるんだぞぉ。呼吸と髪と制服、ちゃんと戻しとけよ。」

「はいっ!すんません!」

急いできたというのが一目で分かる。

「あれっ?奈美じゃん!久しぶりだな。」

子供のような笑顔。

変わらないなぁ。

「久しぶり。どしたの?そんな急いで・・・。」

「ん?あぁ、ちょっと色々あってな。」

「色々?」

「そっ、イロイロ。」

色々ってなんだろ?

まっ、別に深く追求しなくてもいっか。


そして6時5分。

カランコロン・・・。

「いらっしゃいませ。」


扉を開けた、そこにいたのは


「あらっ?あなた、この前の。」


あたしが最も愛する人の


「ここでバイトしてたんだぁ。」


・・・婚約者。

佐山花恵さんだった。