「………」 爽麻が部屋の電気を消して、あたりは真っ暗になった。 …別に怖いってわけじゃないけど。 なんとなく、落ち着かない。 “寝る”なんてこと、幽霊になってから今まで考えられなかった。 そもそも、“寝る”ことなんてできるのかな。 …まぁ、いっか。 寝れなかったら、生きてる頃の記憶を取り戻すことに専念しよう。 そのために、あたしはここでお世話になってるんだし。 本当に諦めかけてたけど、こうしていい人に巡り合えた運命に感謝しなくちゃ。 …取り戻したい。生きてる頃の記憶。