「シオリ?」 「っ」 名前を呼ばれて、あたしは目を開けた。 あたしの視界には、爽麻の不思議そうな顔が映った。 「どうした」 「…ううん、何でもない」 あたしがそう言って笑うと、爽麻はそれ以上何も言わなかった。 「…お前、ここで寝れ」 「へ?」 いきなりすぎる命令に、あたしはキョトンとした。 爽麻の指は、真っ黒なベッドを指してる。 あたしがここで寝るの?