「初めましてっ♪圭(けい)です」
部屋の中に入って来て、男の子はあたしの前に座った。
そして、あたしに驚くことなく、自己紹介してくれた。
逆にあたしの方が驚いてて、言葉が出なかった。
ゆっくりと部屋に戻って来る爽麻に、視線を送ると。
「俺の友達。さっき言ってた、電話のヤツ」
…あぁ、この人が。
「は、初めまして…。」
笑ってみたけど、ひきつってしまった。
「本当ヒドくない?電話すぐに切るんだもんね!」
「それは、あたしが…」
「いいの!悪いのは爽麻だから」
そう言ってニッコリと笑ってくれる圭君に安心した。
あ、でも悪いのはあたしなんだけどな…。

