「お迎えにあがりました。」 「っ!?」 突然背後から声がして、驚いた。 バッと振り向くと、そこには、見覚えのある人。 ……そう。 あたしに、“約束”をした男性。 その男性を見た瞬間、痛感した。 あぁ、「さよなら」なんだなって。 別れの時が、やって来たんだなって。 ………どうしてなのかな。 悲しすぎるはずなのに、涙が出ないよ。