「あ、爽麻」 戻って来た爽麻を見つめる。 「話長いよなー」 そう愚痴を言うけど、本心じゃないことは分かってる。 「ねぇ、爽麻」 「あ?」 「あたし、幸せ者だね」 皆が羨ましいって思うくらい。 「良かったな」 優しい瞳が、あたしだけを捉えてて。 今だけでもいいから。 今だけはあたし1人を見ててほしい、って思った。