「そろそろ帰るか」 立ちあがった爽麻の後に続く。 そして、自然と繋がった手。 それは当たり前のように。 その当たり前の幸せを、体全部で感じる。 「来れて良かった」 そう言って、最後の海を眺める。 今度は…空の上から見れるかな。 「爽麻」 「ん?」 「あたしね、ずっと見守ってるから」 「………」 「爽麻の心の中にいる。」 だから。会えなくても、大丈夫だよ。 あたしが微笑むと、爽麻は頷いた。