「…話してくれてありがとな」 爽麻は、それだけしか言わなかった。 他に、何も言ってくれなかった。 だから、拍子抜けした。 …何で? 「飯作ってくる」 そう言って、あたしを離して立ち上がる。 爽麻……。 どう思ったの? 何も言ってくれないから、分かんないよ…。 さっきまであんなに泣いてたはずなのに。 涙は、止まっていた。