「期間は、あと1カ月です」 「………」 男性が真剣な顔して言った。 あたしは黙ったまま。 ただ、拳をギュッと握り締めて。 「分かりますよね?」 「……はい」 あたしは小さな声で答えた。 何の…“期間”なのか。 言われなくっても分かってしまう。 分かってしまうのが、どうしようもないくらいに嫌だ。 「1カ月の間であれば、いつでも構いません。」 「…はい」