「シオリちゃん?」 「え、」 圭君の顔が目の前にあって、驚いた。 「どうしたの?」 「ううん、何でもない」 ちょっとボーっとしてただけ。 そう言うと、圭君はそっかと笑った。 「爽麻ー、お腹減ったー」 くるっと爽麻の方を向いて、圭君は言う。 爽麻の顔が険しくなったのが分かった。 「黙れ」 「お前誰のおかげ…」 「うるせぇ」 圭君の言葉を遮って、爽麻が低い声で呟いた。