「!!!!」 次の瞬間には、もう腕を掴まれていた。 帽子の下から、黒い目が覗く。 ニヤリと笑った口元に、寒気がして鳥肌が立った。 もう声なんて出なかった。 抵抗したって敵わなかった。 知らないところに連れていかれてく。 暗くなって、周りには誰もいない。 あたしの腕を掴んでる手と反対の手には、紐が見えた。 ……あぁ。 あたしはその紐で首を絞められるのかって、ボンヤリと思った。