ソファに座って、あたしは何から話したらいいのか迷っていた。 爽麻は前に座って手を握ってくれてて、じっと待っててくれてる。 それがすごく安心できた。 ちゃんと聞こうとしてくれてるのが、嬉しかった。 「あの、ね…」 「うん」 「あたし、思い出したの」 あたしがそう言うと、爽麻は一瞬驚いた顔したけど、すぐに元にもどった。 きっと、何となく分かってたと思う。 「だから、…聞いて」 爽麻を真っ直ぐ見て、あたしは呟いた。 「分かった」 それは、とても力強い返事だった。