「爽麻…っ」 大好きなその姿を見つけた途端、涙があふれてく。 暗い世界でも、ちゃんと分かる。 でも…視界がぼやけて、爽麻の顔がよく見えないよ。 「降りてこい!」 その言葉に素直に従って、あたしは爽麻の胸に飛び込んだ。 あったかい温もりに、不安が消えてゆく。 だけど、涙だけは止まってくれなくて。 これは何の涙なんだろう…。 そう思ったけど、分からなかった。 爽麻は黙って、あたしの頭を優しく撫でてた。