――それは、昨日爽麻と再会した場所。 …あの、大きな木。 風が吹いて、葉が揺れる。 やっぱり落ちつく。 ここはあたしにとって、特別な場所。 もともと大好きだったけど、もっと好きになった。 …爽麻と出会えた場所だから。 あの時、あたしがここにいなければ、爽麻に会うことはなかった。 あの時、爽麻がここに来なければ、あたしは会うことはなかった。 たった少しのすれ違いがあれば、お互いを知らないままで。 出会ったこの場所から、すべては始まった。 …これを、“運命”と呼ぶのかな?