何とか落ち着きを取り戻したあたしは、記憶をさがすために歩きだす。 今までずっと避けてきた、あの記憶を。 ――今なら、向き合える。 そう思ったから。 …ほんとのほんとは怖い。 でも、ちゃんと受け止めたい。 だから…思い出したいよ。 あたしは、1人じゃないから。 ―――どうか、思い出せますように。 そう強く願いながら、あたしは歩く。 懐かしい景色が、目の前に広がってる。 それが嬉しくて、涙が浮かんだ。