いつの間にか爽麻も食べ終わってたらしく、皿はからっぽになっていた。 「ごちそうさまでした」 爽麻に感謝の気持ちを込めて、手を合わせた。 …すっごく懐かしい味だった。 もう2度と食べられないって諦めてた、その味。 …でも、奇跡が起こったんだね。 もう1度、食べられるなんて。 あの別れた日、そんなの想像できなかったけど。 あたしはほんとに幸せ者だ。 みんなに自慢したくなるくらい。 だから…… この“幸せ”を大切にしよう。 ずっとずっと、続くように。