「ねぇ爽麻」 「…ん?」 あたしが突然口を開いたことに、驚いた声が聞こえた。 爽麻の視線が、あたしに向いてるのが分かった。 「どうして、あそこに来たの?」 だって、約束してた訳じゃないんだもん。 それなのに、今日、あそこに来た。 「覚えてたんだよ」 「…え?」 「今日が、お前と出会った日だってこと」 うそ……。 覚えててくれてたの?