「爽麻…」 ポツンと呟いた声が、暗闇に溶ける。 辺りは真っ暗で、人の気配は全くしない。 …もう、夜になってしまった。 爽麻は、来ないまま。 やっぱり…来ないのかな…。 でも、もう少しだけ…待ってたい。 「おいっ…危ねーぞっ」 「!!!」 声が出なかった。 「降りろっ」 「っ…」 あたしは、言われるままに地面に降りた。