「さよなら」 爽麻の顔を見て、あたしはニコッと笑った。 そして、あたしは走りだす。 「シオリ!」 爽麻の声がして、後ろから足音が聞こえた。 …捕まっちゃいけない。 あたしは足を消して、爽麻から離れる。 「シオリ!!」 何度もあたしを呼ぶ声が聞こえる。 …でも、もう振り向いちゃダメ。 爽麻の足音がしなくなって、後ろを見てみた。 そこに爽麻の姿はなくて、暗闇だけが広がってた。 次から次へと溢れる涙のせいで、視界がぼやける。