「だから、あたしが代わりに来たの」 「………」 「“幽霊”のくせに、アンタずるい」 …“幽霊”のくせに。 あたしは、ずるい…? 「爽麻に近付かないでよ」 どうして、言い返せないの。 「アンタ、邪魔なの」 ……邪魔。 あたしは邪魔だったんだ。 ただ、あたしが気付いてなかっただけ。 「それだけ」 その人はそう言って、帰ってった。 あたしは、立つのも辛くて、その場にしゃがみ込んだ。