「良かったね!」 爽麻がキッチンに入るなり、圭君はあたしを見た。 良かったような、良くなかったような…。 「う…うん」 でも、勘違いしてたことが分かったし…良かったのかも。 爽麻は、あの女のコが好きじゃないんだよね。 あれは無理矢理されただけで…。 圭君がいなければ、あたしは勘違いしてたままだった。 「ありがと」 「いいえー」 モヤモヤが少しだけ晴れた。 キスしてたのを見たことに変わりはないから、ショックだけど…。 爽麻がしたわけじゃなかったから。 これくらい、平気だ。