「シオリちゃん」 まっすぐな声が、耳に届いた。 圭君は、真剣にあたしを見てる。 だから、あたしも逸らさずに見つめた。 「爽麻のこと、好きなんだよ」 えっ……?? 爽麻のことが、“好き”? 「それは、恋してる証拠だよ」 あたしが……“恋”? 「そんな…」 幽霊のあたしが、生きてる爽麻に、“恋”…。 叶うわけないってことは、言われなくても分かってる。