「…ありがとう」 爽麻に向かって、小さく呟いた。 「…ん」 爽麻の体温を感じると、安心できるよ。 ――ピンポーン♪ 突然響いた音に、あたしの体は跳ねた。 「…はぁ」 爽麻が溜息つく相手といえば…、圭君。 「大丈夫か?」 心配してあたしに聞いてくれた爽麻に、あたしは頷いた。 “大丈夫か”の意味は、もう落ちついたかってことだよね? うん、もう大丈夫。 …でも、ゆっくりと離れていく温もりが、寂しいよ。