―――けれど、爽麻は出てこない。 日は沈んで、空は濃い青に染まり始めてる。 …どうして。 こんなに待ってるのに、爽麻は出て来てくれない。 もしかして、帰っちゃったの? あたしが見つけられなかっただけなの? もしそうだったら、どうしよう。 そうなら今すぐ帰りたい。 …でも、まだ学校にいるかもしれない。 少し覗くくらい、いいよね…? そう思って、誰もいなくなった門に近付く。 そして視界に入った、光景。