「…で?話ってのは何?」 俯いてた顔をゆっくりと上げて、彼を見た。 「お願いが…あるんです。」 「…お願い?」 「あたしの…生きてる頃の記憶を、一緒にさがして下さい。」 「…は?」 あたしの言葉に、彼は意味が分からないという顔をしてる。 「目が覚めたら、幽霊だった。…あたし、生きてた時の記憶が何もないんです。どうして自分が死んだのかも分からない。」 「………」 「でも、そのままじゃ嫌だと思って、この世界に残ってるんです。」 …それが、あたしが今ここにいる理由。