「泣き止んだか」 あたしが落ち着いて来たのを見計らって、爽麻が呟いた。 あたしは黙ってコクンと頷いた。 「そうか」 そう言って、離れて行く温もり。 …寂しい。 離れないで。 素直にそう思った。 その温もりを、ずっと感じてたい。 安心するから、離れたくない。 …でも、そんなこと絶対に言えない。