「……っ!!」 「目、覚めた?」 見えた世界は、さっきと違って明るかった。 ここは、どこだろう…? ぐるりと辺りを見渡すと、場所を理解するのに時間はかからなかった。 「…どうして、ここに?」 部屋の明かりに、目を細める。 まだ心配してる顔の圭君に、小さな声で訊ねた。 「爽麻が運んだんだよ。」 ……爽麻が?あたしを運んだ? そんな訳ない。 あたしに触れることなんて、出来ないんだから。 生きてる人間が、幽霊に触れることは…ありえないことなんだから。