「…何ですぐに触んなかった?」 「……え?」 突然の質問に、今度はあたしがビックリした。 もう、彼はさっきの表情に戻ってる。 …何にも関心がなさそうな。 でも、どうやらあたしの行動はしっかりと見ていたみたい。 …一体何者ですかあなたは。 何でそんなところ見てるの…? 意外に観察力はあったり……? この人は、よく分からない人だな…。 「カップ、じっと見てただろ。」 真剣な瞳に、あたしは思わず視線を逸らした。