カップの中に入ってるのは、オレンジ色してる。 当たってるなら、オレンジジュース…?? そんなことを思いながら、カップをじっと見て、意識を集中させる。 1分くらいずっとそうして、カップに手を伸ばすと、感触が分かった。 そのカップを口に近付ける。 「おいしい…」 本当においしかった。 たかがジュースかもしれないけど、あたしにとっては違うんだもん。 案の定、彼はそんなあたしに、目を丸くしてた。 きっと、ジュースでそんなに喜ぶなんて思ってなかったんだろうな。