あなたへの愛を想いながら・・・ 〜第一章〜

「でも私には好きな人が・・・」


「知ってる。
でも、俺は自信がある。」


自信・・・?


「俺の方が絶対おまえを幸せにできる。
俺はいつもおまえのそばにいる。」


「月人・・・」


月人が私のことを好きだなんて
思ってもいなかった。
いきなりこんな風に言われても
何を言ったらいいかわからない。

それに私には好きな人がいる。

でも、何故だろう?
月人に抱きしめられても全然嫌じゃない。
いや、むしろ心地良い。


やさしいぬくもり、
そしてやさしい匂い・・・


このままでもう少しいたい。


佳歩は月人の手をそっと掴んだ。


誰もいない長い廊下、
夕日が二人をオレンジ色に照らす。

二人はしばらく動けずにいた。