あなたへの愛を想いながら・・・ 〜第一章〜

「じゃあ、行くね。」


佳歩が月人の横を通り過ぎた瞬間、


ガバッ!!


月人が佳歩の手を掴み、
後ろから抱きしめた。



「えっ!? なに・・・?」


「佳歩・・・」


「どうしたん?」


「おまえ・・・
いや、なんでもない・・・」


「何それ?
それより何してんの?」


「少しこのままでいさせてくれ・・・」


月人には珍しく弱気な声。