年下王子は意地悪王子






「……何でまぶた押さえてるの?痛いの?」




まぶたにキスされました。


なんて、とてもじゃないけど言えない!


言えません!


ブンブンと勢いよく首を振るあたしに、変な子。と美波がつぶやいた瞬間。




「……へ?」




ものすごい勢いで後ろから来た集団に、背中を押された。


あ、危な…!




「うあぁっ!!」




びたんっ――!


つんのめるようにして押し出されたあたしは、そのまま床に突っ伏した。




「だ、大丈夫?」



「うわ、痛そ〜」




そんなあたしを見て、周りにいた女の子たちが口々につぶやく。


あたしはというと。




「……ッう…」




あまりの痛さに耐え切れずに、ボロボロと涙をこぼしていた。