年下王子は意地悪王子






「えっ、と…?」




彼の言葉の意味がわからず困惑しているあたしに、彼は深いため息をついた。




「だから、どこに直すんだよ、これ」



「あ…あっ、そこに…」




あたしが指差した本棚に、彼は手を伸ばす。


背伸びすることもなく、いとも簡単に届いてしまった彼の制服を掴んだ。




「背、高いね」




ほんとうらやましい。


あたしなんて、はしごを使ってやっとなのに。




「……お前がチビなだけ」



「へっ?」



「お前の背が低いんだよ」




なっ…!


口をパクパクとさせるあたしを見下ろし、彼は笑う。




「し、失礼な…!」



「俺は事実を言っただけ。それのどこが失礼なんだよ」



「〜〜ッ…!」




な、何よぅ!