トイレの前を通ろうとしたとき彼が私を引っ張った。


「えっ、どう…「しーっ!」」


彼と私は柱の後ろに隠れた。

「やっべぇ…野村がいる。」


「野村…?」


彼によれば野村(ノムラ)という奴はすごく面倒くさいらしく会いたくないらしい。


その村田…じゃなかった野村が近づいてくる気配がした。


「隠れるよ。」


雅也は私の手を引いて男子トイレに入った。


…え、男子トイレ?


「ちょ!?」

「ちょっと、我慢して、ね?」


そんな笑みで言われたら、我慢するしかないじゃん…。


黙って下を向く。


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