佐柚は、機嫌が悪かった。 4時間目は、いつも寝ている現国の授業を、起きて聞いていた。 もともとクラスではいつも喋らないし、紗和としかいないのだが、いつも以上に無口で、顔が険しかったので、クラスメートは緊張していた。 男子はマドンナである佐柚を離れたところから心配しているし、女子は恐がって近づこうとしなかった。 紗和はそんな周りを見てため息をついた。 授業がおわってすぐ、佐柚は教室を出て行った。 「佐柚…」 紗和は目だけで佐柚を追い、ひとりでお弁当をひろげた。