「…宗介が、死んだの」

有末さんが話し始めた。
うん、
と頷く。

「宗介がいなかったら、生きていけないの、あたしもさくらも…」

うん、
と頷く。

「ここがっ…1番、宗介に近くて…っ」

“宗介”は空にいんのか。
空に1番近いってことか。

「行かなきゃ…っ」

急に、有末さんが俺を振り払った。
力が強くて、びっくり。
フェンスに手をかける。

あわてて腕を掴んだ。