「うん、来るよ」
功はニヤリとして、大地の手をどけた。
「何、古賀くんの?」
「なんすか龍希さん!びっくりした」
大地と功の後ろの席に座っていた、キャプテンの原田龍希が、2人の間から顔を出した。
絢華とは同じクラスだ。
「お前らなんだかんだ長ぇな。もう半年か」
龍希は功の頭をくしゃくしゃとなでた。
「やめてくださいって」
功は一生懸命その手をどかす。
「古賀はなぁ、3年の間でも意外と人気だったんだぜ」
龍希の横から、
キーパーの進藤拓也も顔を出した。
「拓也さん彼女いるじゃないすか!」
大地がニヤニヤしながら言うと、拓也は誇らしげな顔をした。
「まぁな!」
「こいつゴール以外にも守るもんがあるから、集中力に欠けるぞきっと」
けらけらと龍希が言った。
「まあさ、」
突然、口調を落ち着けて
大地と功の頭に
片手ずつ手をのせて、
龍希が言った。
