「絢華」


2人を残して歩きだした彼女の腕をつかみ、
功がひきとめた。


彼女はその功の腕に手をかけ、
功に顔を近づけると、
耳元で何か囁いてから、
功の腕をそっとはずした。


功はため息をついて、
はずされた腕をポケットにつっこんだ。


「功をよろしくね」


最後に彼女は大地に向かってそう言って、
その場をあとにした。


綺麗な笑顔だった。


大地と功は2人、取り残された。